今のところ未定

なにを書こうか、考え中

#26 覚せい剤と麻薬

はいどうも、wiiです。

昨日2月14日に、シンガーソングライターの槇原敬之さんが逮捕された。
槇原敬之氏といえば、歌手の人ね、くらいの認知しかしていなかったので、衝撃でも何でもない。
よく知らん人がまたやらかしたのかって感じ。



私にとって重要なのは、そのニュースを聞きながら浮かんだ疑問、
覚せい剤とか麻薬とかMADA?とかって何が違うんだろう?」
こちらの方が100倍重要であった。
疑問に思ったら調べるべしということで調べてみる。

とりあえず、自分がきいたことのある単語を羅列しておいて、
そいつらの説明ができるようになればOKということにしよう。

境界があいまいな単語は、覚醒剤、麻薬、大麻合成麻薬、MADA?、LSD、コカインとかかな。

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麻薬

薬学用語としての定義

もともとはあへんやあへん様化合物から誘導され、精神と行動の著しい変化および依存性と耐性の可能性を伴う強力な鎮痛作用をもつすべての薬物を指す。最近は、合成あるいは天然の薬物で、メペリジンやフェンタニルとその誘導体など、あへんやあへん誘導体と作用が類似しているものすべてをさす(ステッドマン医学大辞典より抜粋)。・・・
引用元 公益社団法人日本薬学会 薬学用語解説

作用が類似しているもの、ということでかなり広義の単語といえるだろう。

法律用語としての定義

麻薬及び向精神薬取締法」第二条(用語の定義)一項によると、以下のように定義されている。

一 麻薬 別表第一に掲げる物をいう。

別表第一

一 三―アセトキシ―六―ジメチルアミノ―四・四―ジフェニルヘプタン(別名アセチルメタドール)及びその塩類
二 α―三―アセトキシ―六―ジメチルアミノ―四・四―ジフェニルヘプタン(別名アルファアセチルメタドール)及びその塩類
三 β―三―アセトキシ―六―ジメチルアミノ―四・四―ジフェニルヘプタン(別名ベータアセチルメタドール)及びその塩類
・・・(中略)・・・
十三 コカインその他エクゴニンのエステル及びその塩類
・・・(中略)・・・
七十四 四―モルフォリノ―二・二―ジフェニル酪酸エチルエステル(別名ジオキサフェチルブチレート)及びその塩類
七十五 前各号に掲げる物と同種の濫用のおそれがあり、かつ、同種の有害作用がある物であつて、政令で定めるもの
七十六 前各号に掲げる物のいずれかを含有する物であつて、あへん以外のもの。ただし、次に掲げるものを除く。
イ 千分中十分以下のコデイン、ジヒドロコデイン又はこれらの塩類を含有する物であつて、これら以外の前各号に掲げる物を含有しないもの
ロ 麻薬原料植物以外の植物(その一部分を含む。)

注目したいのは、七十五号の記載によると、この表内に記載されていない物質でも、その効能が類似しており、かつ政令指定があれば麻薬とされること。
逆に言えば政令によって定められなければ、新たな薬剤は麻薬として扱われないということだ。
また、コカインは麻薬の一種という認識で良いみたい。

覚せい剤

薬学用語としての定義

覚せい剤眠気と疲労を除去し、一時的に作業効率を高める作用を有する薬物で、「覚せい剤取締法」によって規定されているフェニルアミノプロパン(アンフェタミン)、フェニルメチルアミノプロパン(メタンフェタミン)がこれに相当する。同法では、これらに加えて合成原料や中間体を「覚せい剤原料」として規制の対象としている。精神依存性が強く、身体依存性は少ない。・・・
引用元 公益社団法人日本薬学会 薬学用語解説

この文章では、直接的に覚せい剤を定義しておらず、引用で済ませている。
ここからわかることは、覚せい剤は薬学上の用語ではなく、あくまで法律用語であるということである。

法律用語としての定義

覚せい剤取締法」第二条では、やはり具体的に指定されている。

第二条 この法律で「覚せい剤」とは、左に掲げる物をいう。
一 フエニルアミノプロパン、フエニルメチルアミノプロパン及び各その塩類
二 前号に掲げる物と同種の覚せい作用を有する物であつて政令で指定するもの
三 前二号に掲げる物のいずれかを含有する物

やはりここでも政令指定によってその対象を拡張できるようになっている。
新たに登場する薬物について、法律上の扱いを決めるうえで「麻薬に認定」するか「覚せい剤に認定」するかでもめたりしないのかな?

大麻

薬学用語としての定義

大麻取締法」で規制される大麻草及びその製品。ただし大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く)ならびに大麻草の種子及びその製品を除くと規定されている。大麻中にはカンナビノイドと総称される特異的な成分が含まれている。・・・(中略)・・・また、精神的には多くの場合意識が変化し、夢幻的陶酔状態となり、非現実感、多幸感、空間および時間感覚の歪曲などがみられる。・・・(中略)・・・精神依存性、耐性は弱く、身体依存性はない。・・・
引用元 公益社団法人日本薬学会 薬学用語解説

ここでも法律参照とのことである。
大麻大麻たらしめるのはカンナビノイドという特定の物質らしいので、上記の二つと比べて非常に狭い定義といっていいだろう。
よく聞くマリファナ大麻を加工したものらしい。

法律用語としての定義

大麻取締法」第一条を引用

第一条 この法律で「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。
(昭二八法一五・平三法九三・一部改正)

やはり非常に狭い定義であり、拡張の余地がない。
また、この「大麻取締法」は昭和23年公布のものであり、「覚せい剤取締法」(昭和26年)、「麻薬及び向精神薬取締法」(昭和28年)と比べても早い登場である。
すなわち、日本で「大麻」(大麻草を原料とするクスリ)は精神に働きかける多種多様なクスリの先駆けとなり、一足早く特別に定義されたのだろう。

合成麻薬

これといった定義は見つからなかった。
ケシやアヘンなど、天然の植物から作ったのではない麻薬(天然麻薬とでもいうのだろうか)という定義に過ぎない。
その中にあるのが、MDMAやMDALSDといった薬剤のようだ。(MADAなんてものはありませんね。うろ覚えで間違えていた。)

【おまけ】精神依存と身体依存

依存性について、「精神依存」と「身体依存」という単語が出てきた。
精神的に不安定になって薬剤を求めるのが前者、身体的に障害が生じ、薬剤を求めるのが後者なのかな?くらいの認識。
日本緩和医療学会の「がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン」を見てみる。

1)精神依存
 次のうちいずれか1つを含む行動によって特徴づけられる一次性の慢性神経生物学的疾患である。その発現と徴候に影響を及ぼす遺伝的、心理・社会的、環境的要素がある。
① 自己制御できずに薬物を使用する
② 症状(痛み)がないにもかかわらず強迫的に薬物を使用する
③ 有害な影響があるにもかかわらず持続して使用する
④ 薬物に対する強度の欲求がある

2)身体依存
 突然の薬物中止、急速な投与量減少、血中濃度低下、および拮抗薬投与によりその薬物に特有な離脱症候群が生じることにより明らかにされる、身体の薬物に対する生理的順応状態である。

基本的には精神依存→薬物依存といった流れのようだ。
この依存が怖いとわかっているからこそ、依存性の少ない大麻が入門用の薬物(ゲートウェイ・ドラッグ)として人気なのだろう。

どの薬もアウトやんけ!

定義見てもらえばわかる通り、どの薬も結局依存を引き起こすし取り締まられているしで、とりあえず使うのはやめとけよという感想。
こういうの調べても使っちゃう人というのは結構な好奇心の持主なんだろうなあと畏怖の念を抱くよ。

病棟見学を行った際に、医療者の方が「麻薬系の薬品」と表現されていたのも、薬学用語としては麻薬でひとくくりになることを考えれば納得だなあと思い返した。

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以上。