今のところ未定

なにを書こうか、考え中

#24 THE・駄作。『広島電鉄殺人事件』

はいどうも、wiiです。
週に一度くらいの頻度で、何とはなしにふらっと本屋に立ち寄る中で、気になる本を見つけた。

広島電鉄殺人事件 (新潮文庫 に 5-39)

広島電鉄殺人事件 (新潮文庫 に 5-39)

  • 作者:西村 京太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2020/01/29
  • メディア: 文庫

テレビでよく耳にする、「西村京太郎サスペンス」でお馴染みの西村京太郎作品である。
それも、ドラマシリーズを一つも見たことのない私でも聞いたことのある十津川刑事ものだ。
一度は読んでみたいと思っていた作品シリーズであり、私が幼少期からお世話になってきた広島電鉄が題材とあっては、読まざるを得ない。
というわけで、読んでみた。

感想

結論から言えば、広島電鉄に思い入れがある人以外は読まないことを強く勧める。」

良かった点
  • 広島電鉄の歴史や車両についての豆知識が丁寧に書かれている。
  • 広島電鉄利用者ならば、場面ごとの風景を想像できる。実在する鉄道ならではの体験がある。
悪かった点
  • 推理でもなんでもなく、すべてが「刑事の勘」で進められる。
  • 説明がしつこい。何度同じことを言うんだと感じさせられる。連載作品ならば章ごとに現状説明があるのは納得できるが、連載作品ではないはずだ。加えて、ひどい場合は地の文で頭の中を整理した後、対話者に向かって全く同じ説明を繰り返している。
  • 誰かが発言したならば「と、十津川は、言った。」みたいな一文が頻繁に挟まれる。児童文学でよく見るような表記であり、そんなこと書かなくてもわかるよ…。という印象が強すぎる。
  • 犯人の行動がやばい。とにかく都合の悪い奴は、即日バンバン殺す。そのくせ、この作品のキーマンである運転士にはこの上なく回りくどい手法をとっている。

 メインでない人間は単純に殴り殺すのだが、メイン運転士だけは「とりあえず殴って入院させる→運転中に脅迫し、事故を起こさせて会社を辞めさせる→なぜか広電の車両に呼び出して毒を塗った服を着せる」という迂遠ぶり。
 初手で殴り殺せよ…。殺したくはないけど口封じしたいから数回にわたって威嚇したいのなら、面と向かって口止めするべきだし、運転勤務中に大事にする意味がなさすぎる。

つまらなさ過ぎる。
本当にこの人の作品はドラマ化するほどに人気なのか?という疑問が頭を離れない。
動機とか犯行方法とかの細かいところに目をつぶれば、「理解が簡単で説明が丁寧、派手目な事件も巻き起こるミステリー」といえるのかもしれないが。
残念だけれど、この人のミステリーはもう読まないだろうな。

ちなみに、西村京太郎氏はこれが602作品目らしい。
現時点で626作品を書き上げているというとんでもない著者である。
この著者のほかの作品のクオリティがどの程度なのかはわからないが、その速筆ぶりは凄すぎるね。


調べてみると、一作品だけ読んだことあるものがあった。
『天使の傷痕」という50年以上前の作品で、トラベルでも何でもない題材。
あまり記憶が定かではないのだが、この時は結構作品を楽しめた気がする。
今回がはずれだったのか、力が衰えたのかわからない。
もしかすると、熱狂的なフォロワーたちがいて、部数は落ちないから作品の質が落ちているのではと邪推したりしてしまう。



さんざん言ったが、駄作映画を見るような、怖いもの見たさで読む覚悟があればオススメともいえる。

以上